韓国に戸籍がありません。私って、相続放棄できますか? - 在日韓国人・朝鮮人の相続、遺言、帰化|名古屋松原法務事務所(司法書士・行政書士)

「在日韓国人です。韓国に戸籍がなくても、日本の裁判所で相続放棄できますか?」

 

 

在日韓国人の方から、日本に住む、亡くなった韓国籍お兄さんの相続放棄で、お困りのご相談でした。

 

「松原先生、わたしたち兄弟姉妹は、韓国に戸籍がないんです。
「違う先生に聞いたら、戸籍がないと相続放棄できないかも?と言われて。」
「兄の借金、放棄できないんですか?」

 

よくあるご相談です。

 

「よくある」というのは、次の2つですね。

 

“在日韓国人にとって、韓国に戸籍がないあるある”

“日本法しか知らない士業の残念すぎる対応”

 


世界的に、戸籍制度がある国が珍しいですし、

在日コリアンの歴史上、

韓国に戸籍が無いのは仕方の無いことです。

 

在日コリアンで韓国に戸籍がない方々、

たくさん安心してくださいね!

 


「全く問題ありませんよ!」

 

そうお伝えしたら、とっても安心なされました。

そりゃそうですよね、放棄できないと言われたら不安すぎる。

 

相談者様は、年齢的にネットで調べることが得意ではないので、

自分で調べられず、

その結果あまり眠れず、苦境な心情を引きずっておられました。


「でも松原先生、私たちは韓国で取れる書類がありません。どのような書類を取りますか?」

 

 

韓国で出生届を出していないので、取れる書類はないでしょう。

なので、日本で取れる書類を収集しましょう。

 

ポイントは
“亡くなった方と、相続放棄をしたい方の関係性が分かる”書類を集める!

 

ですが、これ集めたら一発OK!書類というより、

関係性を聞いて、考えて、取る書類を決めて、

次はこれ、次はこっちと、順々に進めながら集めます。

 


「じゃぁ、亡くなった兄と私の関係が分かる書類が見つかれば、それを出したら安心ですね!」

 

 

いや、まだ続きがあります!!!


「兄と私だけでは、何か問題あるんですか?」

 

 

ご相談者様はOKなのですが、その他の相続人のことを考えると不十分なんです。

 

お兄さんの戸籍がないので、お兄さんの相続人となる人全員を、網羅的に確認できないのです。

 

なので、相続放棄をする方を事前に確認する方が、トラブル無く済みます。

 

具体的には、相続人は誰々?と分かる範囲まで、戸籍謄本に代わる書類で、お兄さんとの関係が分かる公的書類を取っていく必要があります。

 

もちろん、取得する書類の検討は経験上できていますので、詳しいお話をお聞きして、取る書類を決めていきましょう!

 


「では、私たちの場合で、兄と家族のどんな書類が必要か、松原先生に詳しい話を聞いてもらいます!」

 

そうですね、まずは安心してください。

ご兄弟の関係や、既にお亡くなりのご兄弟がいる場合など、

ゆっくりお話聞かせてください。


お役立ち情報

“在日韓国人が相続放棄するとき、これは集めよう書類”

1 亡くなった方の死亡届記載事項証明書

  →死亡の事実が、一目瞭然ですね!

2 亡くなった方の住民票除票

  →もし上記1が取れないとき、住民票から死亡の情報を読みます。

3 閉鎖外国人登録原票の写し

  →郵送だと取得まで1ヶ月かかりますが、相続関係がけっこう分かる情報があります。

  出入国在留管理庁HP:死亡した外国人に係る外国人登録原票の写しの交付請求について

4 相続人の住民票

  →亡くなった方と同居だと、関係性が分かる情報もあります。


次回は、「相続を放棄する方々(相続人)」についてお書きしますね。

もし、現にお困りの方がいましたら、気軽に聞いてください。

 

在日の方の悩みが解けると、私も嬉しいですので、

聞こうかどうか迷われたり、

変なこと聞いたら怒られるかな?と不安になるより、

教えてー!助けてー!

と、気軽に声に出してみてください。

 

きっちり受け止めます。


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